最新のⅡ型糖尿病治療
最新のⅡ型糖尿病治療として注目されているのが「糖質制限食」です。正しい順序で炭水化物を最後に食べる方法は理に適っていますが、炭水化物でも糖質の含有量は様々です。それらを知っておく事で、糖質の少ないものを選ぶ事もでき、食事療法の効果を高めますので、ここでは最新のⅡ型糖尿病治療も参考に紹介しておきます。しかし「こうしなければいけない、これは絶対ダメ」という自分を追い詰めてしまう気持ちが一番継続の妨げになってしまうので、正しい知識を身につけた上、自分に合った方法で継続していきましょう。
Ⅱ型糖尿病と診断されると、医師や栄養士からカロリー制限食を勧められます。計算方法や食品転換表の事等を詳しく教わり「高カロリー=血糖値が上がる」との認識が生まれます。その為、殆どの方が低カロリー食を心がけ、高カロリーの焼肉やお酒を止めたり、和食中心で食事の絶対量も減らすという食生活になります。
しかし、実際は血糖値を上げるのはカロリーではなく糖質なのです。何年も低カロリー食を努力してるにも関わらずヘモグロビンA1cが下がらないという方が大変多いのもこの為です。
実は悪いと思ってる焼肉でも、塩焼きならいくら食べても血糖値はほとんど上がらないですし、お酒もウイスキーやブランデーや焼酎ロック、又は糖質ゼロのビールなども血糖値を殆ど上げないのです。
むしろ「低カロリー=血糖値を下げる」との間違った認識により、高糖質のご飯、パン、パスタ等を基本とした低カロリー食を実践してしまうと逆に100%食後高血糖を起こしてしまいます。
「昼はおにぎり2個で済ます」という食事は特に最悪の低カロリー食と言えるのです。こういう食事をしていると300mg/dL超えてしまうかもしれません。
食後に、高血糖を起こし下げられないのがⅡ型糖尿病ですので、食後の高血糖を起こさなければヘモグロビンA1cはすぐに下がるのです。この食後の高血糖を起こさせない最新のⅡ型糖尿病治療こそが糖質制限食という最新のⅡ型糖尿病治療なのです。血糖値を上げなければ全てがうまくいくのです。
糖質制限食のやり方
実際多くの方が「糖質制限食」でヘモグロビンA1cが約3ヶ月で劇的に下げることが出来ています。糖尿病の画期的な治療法は間違いなく、糖質制限食のことでしょう。
糖質制限食とは、血糖値を上昇させる物を口にしないというやり方で食べてはいけないものが決まっています。それを覚えておき、出来るだけ口にしなければ自然とヘモグロビンA1cは下がっていきます。
糖質制限食で食べてはいけないもの一覧
・主食(お米・小麦粉など)←ライス・そば・うどん・パスタ・ラーメンなど、日本の主食と呼ばれるものは、基本的には食べてはダメです。昼食のみ軽くならok
・イモ類←さつまいも・じゃがいも・里芋、それを原料とする春雨・片栗粉など
・野菜類←トウモロコシ・にんじん・レンコン・かぼちゃなど
・豆類←小豆・インゲンなど
・果物←基本的にはすべてダメですが、同じ糖質量だとした場合、主食よりは血糖値の上昇が1/2で済みます。
・乳製品←牛乳・加糖ヨ-グルトなど
・調味料←砂糖・はちみつ・ポン酢・ソース・ケチャップ・焼肉のたれ・カレーやシチューのルー・白味噌など
・スナック菓子←糖質制限食では基本全部ダメです。
・アルコール類←ビール・日本酒・ワインはダメですが、その中でも糖質ゼロのものはどうぞ飲んで下さい。
他にもありますが、よく日常で出会う食べ物で列挙しました。詳しくはインターネット上で「糖質制限」などと検索すれば非常に多くの情報がでてきます。
上記の糖質制限食では食べてはいけないものをなるべく口にしなければ、食後2時間の数字がどんどん正常値の140mg/dLに近づいていきます。それを約3ヶ月毎日繰り返します。糖質制限食によってヘモグロビンA1Cが改善してくるので、毎月の定期検査が楽しみになります。
生活改善の為の豆知識
エネルギー量目安
1日の適正なエネルギー量は、年齢、性別、肥満度、身体活動量、合併症の有無などを参考に決められます。
おおよそのエネルギー量は、体重に身体活動量を掛けます。肥満の人や高齢者などは少なめに、成長期にある若年者などは多めにします。 平均的なエネルギー量は、男性では1400〜2000kcal、女性では1200〜1600kcalの範囲が目安となります。
栄養素の配分目安
世界共通の栄養素の配分は、糖質(炭水化物)55〜60%、蛋白質15〜20%、脂肪25%となります。この配分は、最近の日本食の配分とほぼ一致しており、そのため日本食は健康食として世界中から注目されています。
全栄養素の半分強が炭水化物である事が食のベストバランスなので、糖尿病だからといって極端に炭水化物を制限するわけではないことに注意したい所です。(量の制限より食べる順序に気をつける事が大切)
蛋白質は、標準体重1kgあたりほぼ1gをとります。腎障害のある人には、早期から0・8g程度に制限する事が勧められています。
食物繊維は、食べ物の消化吸収を遅らせたりするので血糖値、血中脂質値の上昇を改善させる効果があり、また便秘の改善にも有効ですから、多くとるようにします(野菜として300g以上)。
塩分は、過剰に摂取すると血圧を上昇させたりするので10g以下、高血圧や腎障害のある人は6g以下にします。
外食・中食(なかしょく)を利用する時の注意点
最近は、外食やファストフード・コンビニ・スーパーなどの弁当・総菜(中食)が便利な為利用が多くなってきましたが、外食や中食はエネルギーが高く、脂肪、炭水化物が過剰で野菜が足りない傾向にあるので、食べる時の工夫(一部食べ残す・サラダ等野菜を追加する等)が大切です。
お菓子・甘い物
お菓子、ジャム、清涼飲料水、缶コーヒー、スポーツドリンクなどは砂糖を多く含み、血糖値や中性脂肪値が上昇するので極力摂らない事が望ましいです。お煎餅など、甘くないお菓子でも炭水化物が多いので注意が必要です。飲料水の中でも「カロリーオフ」「低カロリー」等をうたってるものもありますが、その表示基準は「エネルギー量が100mlあたり20kcal以下、炭水化物で2・5g以下」と、大量に摂れば摂取エネルギーも増し、血糖が上昇するので安心はできません。
果物はビタミン、ミネラル、食物繊維の補給には良くても、含まれる果糖などにより血糖値が上昇するので、摂り過ぎには注意し、1日に1単位(80kcal)とします。 空腹感が強い場合は、コンニャク、海藻、昆布、タケノコ、キノコ類など、低カロリーノーカロリーの食品を摂ると良いでしょう。
アルコール
アルコール飲料は、つまみやアルコールによる食欲亢進作用によって食事療法が乱れる原因になるだけでなく、肥満、脂質異常症、肝障害、膵炎(すいえん)の原因ともなるので、原則的には制限し、合併症や肝障害のある人は禁酒が望ましいです。
健康食品・特保(トクホ)
健康食品は現代では当たり前の市場として認知されてきてますが、中には、有効性・安全性の科学的根拠に問題があり、時には含まれている違法な成分により、重大な健康被害を起こすこともあるようです。
特定保健用食品(通称トクホ)は「いわゆる健康食品」とは異なり、その有効性・安全性が厚生労働省により認可された食品で、中には「食後の血糖値の上昇を緩やかにする」等「血糖値」に言及するトクホも少なくありません。しかしトクホは糖尿病など特定の病状の改善を目的としてないので、その効果もかなり限定的であり、一般的に高価であることなどにも注意する必要があります。
健康食品・トクホに関しては独立行政法人国立健康・栄養研究所のホームページ(http://hfnet.nih.go.jp/)にあるサイトも参照すると良いでしょう。
難消化性デキストリン
また、“トクホのコーラ”などのダイエット食品に『難消化性デキストリン』という成分が入っていることがあります。これは、血糖値のコントロールの他、様々なダイエット、健康に関する効果が見込めるのです。
ダイエットについて
インスリンの機能を知る事はダイエットの鍵
ダイエットをしている人にとっては恐ろしい機能も持っています。それは血糖値を下げるために使われなかったインスリンは糖分を変換して脂肪にして蓄積してしまう機能をもっているのです。だから余分なインスリンが体内で分泌されることは絶対に避けなければならないのです。
余分なインスリンはどうやってできてしまうのでしょうか?それは急激な血糖値の上昇です。短時間に大食いすると、大量にインスリンが分泌されてしまい、ある程度までは血糖値を下げるために消費されますが、余ったインスリンは体内にとりこまれた糖分を脂肪に変える働きをしてしまいます。
だから、ダイエットのためには血糖値をゆるやかに上げていく必要があります。食事をゆっくりするのはその為にも1番良いのです。血糖値が緩やかに上昇していき、大量にインスリンが出ることもないからです。
高血糖によるダイエットの障害
血糖値のコントロールというのは大きなポイントとなります。世の中には数え切れない程のダイエット法・ダイエット食品などがありますが、この“血糖値のコントロール”を軸としたものがかなりを占めるのです。何故血糖値のコントロールがダイエットに重要なのでしょうか?
主な理由として血糖値がコントロールできないと「食欲の増大」と「脂肪がつきやすい」状況に陥り易い為です。
食欲の増大
血糖値は、食欲を感じる原因の一つです。人はエネルギー源である糖の不足(低血糖)を感じると、脳は“食欲”という信号を発信するのです。そして、炭水化物など糖質を摂取すると、血糖値が上がり、満腹感を感じます。 しかし、いきなり多量の炭水化物を摂るなどして、急に血糖値が上がった場合、反動で、逆に下げすぎてしまうことがあります。するとまた食欲が湧き、食べ過ぎてしまう原因になるのです。従って食べ過ぎない為には、血糖値のコントロールが大事なのです。
脂肪がつきやすい
人間が活動をする時、エネルギーを消費します。運動のみならず普通に立ったり座ったりするのにしても、睡眠中でも基礎代謝として、エネルギーが消費されます。そのエネルギー源は、「脂肪の分解」と「食べた食事(“血液の糖分(血糖)”)」の二種類から取り出します。
高血糖の状態になると血管に負担がかかり、動脈硬化などの危険性があるため、“インスリン”という物質が優先して血糖を分解します。つまり、食べた食事からのエネルギー源が優先して使われるので、高血糖の場合、脂肪が燃焼されにくいのです。また、分解しきれなかった糖は脂肪として蓄積されるのです。そして逆に、低血糖の時には脂肪が分解されやすいということが言えます。
なので高血糖は、ダイエットだけに収まらず、高血糖は健康面でも悪い影響(健康被害)を及ぼしてしまいます。
更に血管を通る血液の不純物濃度が高いと、その分血管が傷みやすくなります。代表的な症状として動脈硬化が挙げられます。そして、動脈硬化になるとさらに高血糖になりやすいので、動脈硬化と高血糖の悪循環になってしまうことも考えられます。
間食で血糖値を上げない事が大切
やせる黄金率は一つ
「必要摂取カロリー」-「摂取カロリー」=「不足したカロリー」(燃える脂肪)
ダイエットの全てがこの一行で充分なくらいの公式です。脂肪は1gあたり7kcalを持っていますから、もし1日にご飯一杯分(260kcal)が足りなかったとすると、37gの脂肪を体が勝手に燃やしてくれます。
人間の体は巨大なカロリー消費機関です。心臓は24時間365日、生まれてから死ぬまで一度も休むことなく動き続ける大変パワフルな内臓です。腸や胃も18時間もかけて食べ物を栄養素に変えるために、カロリー消費しながら黙々と働きます。更に凄いのは脳で、五感から入ってくる情報の全てを電気信号に変えて適確な指示を体に出しています。人間は1日普通に過ごすだけで、「42.195km」走ったくらいのカロリーを消費します。必要以上に食事をしなければ、もともと人が持っているカロリー消費の力で簡単に痩せていきます。しかし、やせる仕組みについてもう一つ知っておかなければならない重要なことがあります。それは間食についてです。
脂肪が燃えるのはいつ?
間食の話をする前に、まず脂肪がいつ、どの様にして燃えているかを知る必要があります。むずかしい話をしても仕方がないので、簡単に説明します。
脂肪っていわゆる人間にとっての「糖分の蓄え」です。私たちは普通血液中の糖分を使って体を動かしています。(脂肪を直接使っているわけではないのです。)
血液中の糖分=血糖値が下がってくると「糖分を補充してくれー」という命令を脳がだします。そうすると、体が「リパーゼ」という物質を使って脂肪を分解し、そこから糖分を取り出します。この瞬間に脂肪が燃えています。
つまり脂肪を効率的に燃やすためには血糖値が下がった状態をどれだけ保っていられるか?ということが重要になります。
間食は絶対に痩せない
一日の中で血糖値が下がっている状態は食事と食事の間で、この時に脂肪が燃えているのです。しかし折角この脂肪が燃えている時に「間食」してしまったらどうでしょうか?体は外から糖分が来たことを知ると、脳から命令を送って脂肪を燃やすのを止めてしまいます。
特に間食で危険なのは「キャラメル」などの糖分の固まりを食べることです。糖分を取ると血糖値が上がってしまい、脂肪を燃やすことを体が止めてしまいます。だから、間食はダイエットの中で絶対にしてはいけないのです。逆にこの法則を知る事で、血糖値を上手く利用でき、ダイエットを効果的に進めることができるとも言えます。
食事前にチョコレート
以上の事から「間食は絶対に痩せない」と書きましたが食事の30分くらい前の甘いものは別です。食事30分くらい前に少量のチョコレートや飴を食べますと、血糖値が徐々に上がり始めて30分後の食事をする頃には丁度ど良い位に満腹中枢が刺激されて、食事も少なくて済むしインスリンが大量に出ることも無く一石二鳥の効果が得られます。